世界の一流歌手の声は小さいんです!

「一流歌手の声は、小さいんです」

鹿児島市でボイトレと声楽教師をやっています郷田です!

その昔、小澤征爾氏のオペラに出ていた時の話ですが、ウィーン国立歌劇場などの歌手と一緒に舞台に立った時。舞台稽古初日に、「なんて声が大きい歌手なんだ!」と思ったびっくりするくらい大きい声の歌手がいました。今まで聞いたことがないような大きな声。舞台稽古ではいつもただただ驚いていました。

そして、本番が近づいて2週間前。「超一流」と言われる歌手が合流する日。前述の歌手がすごかったので、もっとすごいのかな!?と期待を寄せていざ稽古を一緒にすると..あれ、それほどでもないな、確かに澄んだ声だけど。という印象。

しかし、ある日、東京の上野、文化会館の一番後ろの席に行って練習をみていた時に、その「超一流」の歌手の声が「レーザービームが迫ってくるかのような」声として感じます。

「なんだこの声!」

そして、声が大きいとびっくりした歌手が横で歌っているのですが、舞台上に大きな声の塊が「置かれている」ような印象。「超一流とはこういうことなのか」と、歌の追求人生がまだまだ遠い先であることを思い知らされました。

「声が小さい」これ、声量がないという意味ではありません。

一流の歌手は、すぐそばで声を聴くと、意外なほど大声には聞こえません。

それなのに、広いホールでは、オーケストラを越えて客席の奥まで声が届きます。

なぜか。

大量の息を押し出しているのではなく、声帯の振動と声道の響きが、非常に効率よく連動しているからです。

つまり、「大きな声を出している」のではなく、

「小さなエネルギーで、よく響く声を作っている」。

声量を出そうとして、息を強く吐いたり、喉で押したりすると、むしろ声の響きは失われます。

一流歌手の声は、小さい。

でも、圧倒的に遠くまで届くんです。

GOUDA AKITOMO(音楽家、作業療法士)

武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。イタリア国立ボローニャ音楽院留学。2004年「第35回イタリア声楽コンコルソ」ミラノ大賞、松下電器賞。2007年「第12回世界オペラコンクール新しい声」アジア予選ファイナリスト。発声法の研究のために解剖書を読み漁ったことからリハビリに興味を持ち、身体や脳の機能など専門教育を経て作業療法士の国家資格を取得。かごしま音楽教室Sing代表。

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