
「一流歌手の声は、小さいんです」
鹿児島市でボイトレと声楽教師をやっています郷田です!
その昔、小澤征爾氏のオペラに出ていた時の話ですが、ウィーン国立歌劇場などの歌手と一緒に舞台に立った時。舞台稽古初日に、「なんて声が大きい歌手なんだ!」と思ったびっくりするくらい大きい声の歌手がいました。今まで聞いたことがないような大きな声。舞台稽古ではいつもただただ驚いていました。

そして、本番が近づいて2週間前。「超一流」と言われる歌手が合流する日。前述の歌手がすごかったので、もっとすごいのかな!?と期待を寄せていざ稽古を一緒にすると..あれ、それほどでもないな、確かに澄んだ声だけど。という印象。

しかし、ある日、東京の上野、文化会館の一番後ろの席に行って練習をみていた時に、その「超一流」の歌手の声が「レーザービームが迫ってくるかのような」声として感じます。
「なんだこの声!」
そして、声が大きいとびっくりした歌手が横で歌っているのですが、舞台上に大きな声の塊が「置かれている」ような印象。「超一流とはこういうことなのか」と、歌の追求人生がまだまだ遠い先であることを思い知らされました。

「声が小さい」これ、声量がないという意味ではありません。
一流の歌手は、すぐそばで声を聴くと、意外なほど大声には聞こえません。
それなのに、広いホールでは、オーケストラを越えて客席の奥まで声が届きます。
なぜか。
大量の息を押し出しているのではなく、声帯の振動と声道の響きが、非常に効率よく連動しているからです。
つまり、「大きな声を出している」のではなく、
「小さなエネルギーで、よく響く声を作っている」。
声量を出そうとして、息を強く吐いたり、喉で押したりすると、むしろ声の響きは失われます。
一流歌手の声は、小さい。
でも、圧倒的に遠くまで届くんです。






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