喉を上げる筋肉、下げる筋肉について

こんにちは、鹿児島市の〈ピアノ・声楽教室〉かごしま音楽教室Sing!の郷田です!

声を出す時に、身体のフォームや響きのポジションなど、大事な点はいろいろあると思いますが、ここが働かないと声すら出なません。…「ここ」とは?

喉ですよね。

この喉を扱うということはとっても難しい事だなと、歌を専門的に勉強し始めてから30年近くになりますが、年を追うごとに実感します。

今回のこの記事では、喉近辺のお話をできるだけ初学者にわ狩るように話していこうと思います。

喉というのは、身体の中で唯一の「浮遊軟骨」です。そう、骨や軟骨って、隣り合っていて「関節」があるのが普通なんですけど、喉(甲状軟骨と輪状軟骨、披裂軟骨、舌骨など)というのは骨に関節していなくて、浮遊している状態です。

この図を見ると一目瞭然、関節がないんですね。全部筋肉で接続されています。

そして、どんな筋肉で接続されているのかというと?

主に喉頭の一つ上にある「舌骨」を境目に、上に伸びている筋肉群(舌骨上筋群)と、下に伸びている筋肉群(舌骨下筋群)。これらによって接続されています。

舌骨上筋群
舌骨下筋群

どうして、安定して固定された関節になっていないのかというと。

喉というのは声を出すためにできていないからなんですね。「ご飯を食べる(嚥下と言います)」ためにも喉は働かなければならないからです。自由度が高くないと、全く違う動きをする「発声」と「嚥下」を起用に使い分けることが難しいからなんです。

そして、喉を引き上げる筋肉というのが、舌骨よりも上にある筋肉群「舌骨上筋群」です。それに対して喉を引き下げる筋肉が「舌骨下筋群」。

発声の時に舌骨上筋群が使われると、喉が上に引き上げられます。そうするとそれは、嚥下時に必要な力であり、気管が閉ざされて、食道にある機構が働くようになります。つまり、

物を飲み込むときに感じる喉の感覚は、「喉を締める」という感覚。喉の空間を締めることによって、食べ物を食道に運ぶ必要があるからなんですね。

舌骨上筋群の動きをできるかぎる抑制すること=喉をあげないこと=喉を開けておくこと

と理解してみてください。

文字で書くと簡単ですが、関節されていない喉のコントロールは非常に難しい物です。

どうやったら喉が上がらないで発声できるのか、それを探求していくことが、特にオペラ発声では求められます。

GOUDA AKITOMO(音楽家、作業療法士)

武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。イタリア国立ボローニャ音楽院留学。2004年「第35回イタリア声楽コンコルソ」ミラノ大賞、松下電器賞。2007年「第12回世界オペラコンクール新しい声」アジア予選ファイナリスト。発声法の研究のために解剖書を読み漁ったことからリハビリに興味を持ち、身体や脳の機能など専門教育を経て作業療法士の国家資格を取得。かごしま音楽教室Sing代表。

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