こんにちは、声楽・ピアノ教室「かごしま(鹿児島)音楽教室Sing!」の郷田です!
今日は、いわゆる音楽用語の解説です。音楽用語は似たような意味の単語が結構あり、「なんで言い方が違うの?統一すればいいのに!」と思っている方も多いでしょうか?笑。
ほとんどの楽語は「イタリア語」で、その大元の意味を知ると、謎が解けると思います。是非読んでみて、その違いや意味を理解しましょう!
decrescendoとdiminuendoの違い
まず、”diminuendo”はだんだん弱く、という意味です。しかし”decrescendo”という同じ意味の言葉もありますよね。2つの違いと問われると皆さんはどう答えますか?
“diminuendo”は、 minu….つまりminimum(ミニマム)に向かっていきます!という意味です。ミニマム、要は「音量0に向かってフェードアウトしていく」、という意味で書かれている言葉と思ってください。
対して”decrescendo”は”crescendo”の反対語です。”creare”という動詞が「創造する、大きくなる、成長する」という意味になり、これが”crescendo”です。「大きなものになろうとしている」とでも言いますでしょうか。なのでそれを逆行するような意味で考えると「小さなものになろうとしてる」というものが”decrescendo”。ミニマムになるくらいなところまで小さくなっていかなければいけない、という意味は含んでいません。
つまり、“diminuendo”の方が音量変化が大きく、減少していく量を求められて最後はすごく小さい音になる、という風に理解しましょう。
余談で、もう一つ。”smorzando”という楽語もあります。「消えるように」と説明されますね。もちろんデクレッシェンド系の一種です。
“smorzando”は、火が鎮火する、などの時にも使われる言葉がです。”diminuendo”よりももっと繊細に弱くなっていく意味の言葉です。
rit.とrall.の違い
“ritardando”は、”tardo”という単語が「遅い」という意味で「遅くする」と訳することができます。対して”rallentando”には、速度記号の”lento”という言葉が含まれているのはわかりますでしょうか?ちなみにイタリア語の文法、活用の話ですが、〜andoという語尾の単語は現在進行形、つまり「〜している」という意味です。
ralというのは「だんだん」という意味を含みますので、”rallentando”は、「だんだんレントの速度になっていく」という意味になります。
つまりは、”rallentando”と”ritardando”を単純比較すると「”rellentando”の方が、よりテンポ感が遅くなっていく」と理解しましょう。
このように、似たような音楽用語はたくさんあります。同じ「遅くする」「弱くする」でも、書かれてある単語によって、「作曲家がイメージしている遅くなり方、弱くなり方」を読み取る事が大切です。また、音楽表現法に直結してくるところですので、
是非、イタリア語の辞典を調べて、「語源は?大元の意味はどういう事なんだろう?」という事に関心を持つことをお勧めします。
GOUDA AKITOMO(音楽家、作業療法士)
武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。イタリア国立ボローニャ音楽院留学。2004年「第35回イタリア声楽コンコルソ」ミラノ大賞、松下電器賞。2007年「第12回世界オペラコンクール新しい声」アジア予選ファイナリスト。発声法の研究のために解剖書を読み漁ったことからリハビリに興味を持ち、身体や脳の機能など専門教育を経て作業療法士の国家資格を取得。かごしま音楽教室Sing代表。
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