【発声】喉周辺の筋肉…実は覚え方は簡単。

 みなさんこんにちは、〈声楽・ピアノ教室〉鹿児島(かごしま)音楽教室Sing!の郷田です。

 声楽をやっている人は、発声器官について勉強してみたいと思った事が一度はあるのではないでしょうか?でも…例えばフースラーの「歌うこと」など、書物を読んでみたけど、凄く難しいから結局挫折した、という方も多いと思います。喉の周りの筋肉の名称など細かくて数がたくさんあって、「ああ…無理」と言う気持ち、よくわかります笑。

 今回のこの記事では、発声時に運動する軟骨の名称を知っていれば、筋肉はすぐに覚えられますよ、という話をしていきます。ぜひ、知識を深めて、発声の難しい書籍なども後々理解できるよう、ご活用ください。

 ではまず、声が出る仕組みを、すごくサラッとお伝えしてから、名称などに移りたいと思います。

声が出る仕組み

 声は喉の中の声帯で作られます。こちらは横から見た喉頭

上から喉を見ると↑

 肺から空気が外に向かって送られていく途中の過程で、喉の中の左右の声帯がお互いに近づき、振動します。この振動が音となって、(これを声帯原音と言うんですけれども)

 この声帯原音が、咽頭や口腔、鼻腔という場所で音色が作られて、共鳴、つまり音が増幅されて、皆さんが聞き取る「声」となります。

 では次に、その「声帯」の周囲にある軟骨と骨についてご紹介していきます。

声帯周囲の軟骨と骨

 これは声帯を覆っている軟骨を前から見たものですけれども、

 真ん中の1番大きい軟骨を…甲状軟骨と言います。で、その下についている、輪っかになっている軟骨がありますね。 これを輪状軟骨と言います。

 またさらに、後ろから喉を見ると。

 鳥の爪みたいなものが2つありますよね、 左右両方ついてますけれども、これを披裂軟骨と言います。

 それから、この披裂軟骨から甲状軟骨真ん中にかけて伸びているのが、声帯の芯の部分となる声帯靱帯。

 更に、上にはご飯を取る時のしゃもじのようなものがありますよね。これを喉頭蓋と言います。 

 前から見ると甲状軟骨で覆われていて声帯付近が見えないですが、後ろから見ると、声帯やその周辺の軟骨と靱帯の構造がよくわかりますよね。

 喉にはこの4つの軟骨(甲状軟骨、輪状軟骨、披裂軟骨、喉頭蓋)、があります。この4つの軟骨、歌を志す人なら、必ず覚えておくべき知識ですのでぜひ覚えましょう!(その上にある舌骨…書き忘れましたがこれを含めて5つ、覚えましょう!)

 それぞれの軟骨の役割については、甲状軟骨は喉の保護のため。輪状軟骨は喉頭の土台となっております。披裂軟骨は声門(左右の声帯が作る空間)を閉じたり開いたりするため。喉頭蓋は、食道への道と気管支の道の切り替えをするためにあります。

声帯周辺の筋肉

 では筋肉の名称についてです。

 この周辺の骨や軟骨の名称を知っていると、予測がつくようになります。

 筋肉がついてるところは主に2つあります。①動かない視点となる場所を起始、②筋肉が収縮するときに動こうとする場所を停止といいます。

 特に喉周りの筋肉は、起始・停止の場所の順に名前をつけてることが多いんです。

 起始が輪状軟骨、停止が甲状軟骨の筋肉→輪状甲状筋。

 甲状披裂筋は、甲状軟骨が起始、披裂筋か停止、だから甲状披裂筋という名前なんですね。

 起始が輪状軟骨、停止が披裂軟骨、の筋肉は2つあって、後ろ側についているのが後輪状披裂筋、横側(外側)についているのが外側輪状披裂筋、といいます。

 このように軟骨の付着部を組み合わせて名前が付けられている(起始→停止順で)ので、一個一個覚える必要はさほどありません。

 このように、喉周辺の筋肉の名称は理解してみてください!一個一個、名称を丸暗記しようとする事は、必要ありませんよ。

GOUDA AKITOMO(音楽家、作業療法士)

武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。イタリア国立ボローニャ音楽院留学。2004年「第35回イタリア声楽コンコルソ」ミラノ大賞、松下電器賞。2007年「第12回世界オペラコンクール新しい声」アジア予選ファイナリスト。発声法の研究のために解剖書を読み漁ったことからリハビリに興味を持ち、身体や脳の機能など専門教育を経て作業療法士の国家資格を取得。かごしま音楽教室Sing代表。

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