鹿児島音楽教室Sing!の郷田です!今回のこの記事では、「楽譜を速く読む」工夫…特に「音の高さを読む」について書いていきたいと思います。
楽譜を読むということは、同時にいくつもの情報を読み取る事が必要になります。「音の高さとリズム」をなるべく速く正確に読む力…誰もが欲しい!と思いますよね。
その中でも今回は、「音の高さ」に絞って、速く読む工夫ができないものか、考えていきましょう。
ドレミファ…以外のインプット
「ドレミファソラシド」や「ドシラソファミレド」って、ピアノを習っていない人でも、学校の音楽の授業などで「呪文のように」覚えますよね?
では…「ドミソシレファラド」「ドラファレシソミド」「レファラドミソシレ」「シソミドラファレシ」って、スムーズに読めますか??
・ドミソシレファラド(上行音程)
・ドラファレシソミド(下行音程)
・レファラドミソシレ(上行音程)
・シソミドラファレシ(下行音程)
最初のステップとして、この「4つの呪文」を、ドレミファソラシド、と同じくらい、馴染むまで、読めるようになりましょう!
これによってなぜ音読みが速くなっていくかといったら…
例えば、音読みの「初歩の初歩」段階。
楽譜上で「シ」を見つけたとします。その音を「シ」と理解するまでに、
「ドから1,2,3,4…」7番目の音まで数えて「あ、シかな!?」と解読する人が多いと思います。
これが、「ドミソシレファラ…」の呪文が馴染んでいると、線上の音を飛び数えして
ドミソシ…4番目の音まで数えれば済みます。
そんな程度のことか!と思った方はいますか??
数えていてはダメ…についての私見
よく「音符の高さは、数えないで瞬時に読み取らなければダメだ」とも言われます。しかしそれは初歩段階に多くの方が「良い先生の導きによって」音読みが速くなった人だから言える事なのではないか、と個人的に思います。
大人の初級の方(特に、小さい頃やっていなかった方)、又はピアノ歴数年の子でずっと楽譜上の音の高さを「ドレミ…1,2,3..」と数えてきた子にとっては「急に数えるな」と言われても、できないものはできないんです。。
うーん、多くのピアノの先生に物申されそうですが…理解がある先生は除いて、「パッと見で音の高さがわかる人は、ドレミファ…と順番に数えていかないと解読できない段階の人のストレスがなかなかわからない」から「数えている人」に「数えないで」と言えてしまうのかもしれません。力が備わっていないのに「数えないで」と言われたから数えるのをやめる…そうしても音の高さはわかりません。ので、数えていいと思います。
しかし、一つずつ数えていては、そこから進歩していくことが期待できません。
なので、まずは、一個飛ばしで読める、というステップを踏むことをおすすめします。
線の音と、間の後の一個飛ばしなど、いろんな工夫をして譜を読むことが習慣化してくると、そのうち工夫が必要なくなって読めるように「誰でもなります」。
初めての仕事場に行く道中で例えると、「初めて通る道」がありますよね。その時に道の両サイドを見渡しながら「ここに松屋があるのか、ここにガストがあるのか、ここに…」と新鮮に思います。2,3回目も「あ、ここに松屋で…」と考えますが、
1年間同じ道を毎回通っていたら、脊髄反射のように「3件先はガスト」とインプットされています。知らない間に馴染むように誰でもなります。「数えないで」と言われたからできるようになるのではなくて、「数をこなしてきたから脊髄反射するようになる」から「数えなくなる」んです。
まだ、音符を数えないと読めない…という方は、「数えたら読める」事に自信を持ってください。そして、ドミソシレファラ…、つまり「一個飛ばしで読む」事ができるようになる事を次の目標にしてみてください。
そして、根気よくやっていれば「自然に」「反射的に音の高さがわかるようになる」という事を信じましょう。
もしかしたら先生から「数えてちゃダメ、瞬時に読みなさい」と言われるかもしれませんが…そんな時も「すぐにできないものはできない」「でも、取り組んでいこう」と思って自分のペースで読む力をつける事をお勧めします。
GOUDA AKITOMO(音楽家、作業療法士)
武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。イタリア国立ボローニャ音楽院留学。2004年「第35回イタリア声楽コンコルソ」ミラノ大賞、松下電器賞。2007年「第12回世界オペラコンクール新しい声」アジア予選ファイナリスト。発声法の研究のために解剖書を読み漁ったことからリハビリに興味を持ち、身体や脳の機能など専門教育を経て作業療法士の国家資格を取得。かごしま音楽教室Sing代表。
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