こんにちは、鹿児島音楽教室Sing!の郷田です!今回の記事では、ピアノを弾く時の腕の筋肉にフォーカスしてお話をしていきたいと思います。
特に、ピアノを練習していると腕が痛くなる…という方はチェックしていただきたい内容です。そのような弾き方で練習していると、十中八九、今以上の上達は難しくなるでしょう。
前腕が疲労する人
長い曲をずっと弾いていたり、運指のための練習曲を反復していると、前腕の背面が疲れる人…いますか?
前腕が疲れるという事は、前腕の使い方が固いのかな…と思って脱力しようと思う人もいるかもしれませんが、実は少し違います。もう少し細かく検討していきましょう。
前腕の筋肉群
前腕にはどのような筋肉があるでしょう?
手の平側(医学的には腹側といいます)には、このような筋肉がついています。主に手首や指を「曲げる」筋肉がついています。
そして、手の甲側(医学的には背側といいます)には、主に手首や指を「伸ばす」筋肉がついています。
ちなみに「曲げる」筋肉群を「屈筋」と言います。それに対して「伸ばす」筋肉群を「伸筋」と言います。「屈筋」「伸筋」は、全く反対の動きをする筋肉ですよね。この二つの関係性を「対立の関係」または「拮抗の関係」と言ったりもします。
この「対立」の関係にある筋肉。例えば指を「曲げる」際に、「伸ばす筋肉」は緩んでいなければなりませんよね。伸ばす筋肉に力が入っていたら、曲げる筋肉に負荷を生んでしまう、つまり「拮抗してしまって」、それが「腕の疲労」の原因となってしまうんです。
練習をしていると腕が痛くなってしまう人は、「屈筋と伸筋が同時に収縮してしまう習慣がある」のではないでしょうか?
一つ確認していただきたい事としては、先生から「指を丸めて弾きましょう」と言われてきませんでしたか?実は「指を意図して丸めている状態」というのはそれだけで「屈筋を使っている」状態といえます。その状態が変わらないように指を動かそうとすると…打鍵の際に鍵盤との縦の距離が足りないとすると、伸筋を使って指を上げますね。この状態は、「同時に収縮を起こしている」状態となります。
実は指というのは大概の人が、完全に脱力をしていると軽い屈曲の状態にあるのはご存知でしょうか?(軽度屈曲位といいます)
丸い形、を「作り出そう」又は「形を維持しよう」と意図的な思考になれば、屈筋、伸筋の両方とも緊張して、自由な動きを阻害してしまいます。
その辺りを理解して、「脱力」の参考にしてみてください!
GOUDA AKITOMO(音楽家、作業療法士)
武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。イタリア国立ボローニャ音楽院留学。2004年「第35回イタリア声楽コンコルソ」ミラノ大賞、松下電器賞。2007年「第12回世界オペラコンクール新しい声」アジア予選ファイナリスト。発声法の研究のために解剖書を読み漁ったことからリハビリに興味を持ち、身体や脳の機能など専門教育を経て作業療法士の国家資格を取得。かごしま音楽教室Sing代表。
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