パフォーマンスを発揮する舌の位置は!?

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今回は、舌についてです!

まずはいまから舌の位置に関して3つの選択肢を出します。

皆さん、普段ご自分の舌の位置がどこにあるか、観察してみて是非お答えください。

普段あなたの舌は…

1…前歯の裏にくっついてる

2…上の歯と下の歯の間辺りに位置している。 

3…下の歯の裏側についている

さあ、皆さんどこに位置してますでしょうか。

2番、3番だった方は要注意です!

では、今回最後までしっかりと聞いてください。 

普段無意識の時の理想的な舌の位置は、1番が正しい舌の位置になります。舌の位置は、自分で意図せずに操作せずに、勝手に上方に位置していればしているほど、体の深層部分が非常に使いやすくなるんですね。パフォーマンスが上がっていきます。

低い位置すればするほど、いろんなデメリットが出てくるんです。なぜかを、今から説明していきたいと思います。

まず、いい歌手の舌の位置がどうなっているのか。それを確認してから、話に入っていきたいと思います。 

キングオブハイCパバロッティですね。パバロッティの顔のアップは非常に多いので、1番確認しやすいかなと思って選んでみました。 

母音によって、舌のアーチ具合が変わりますけど、基本的に明るい声の歌手は舌の位置が高い方が多いです。

たまに言われてる、舌をUの字にするなんて、絶対になってないんですよ。

ということを知ったら、絶根を下げるなんてことは、あんまりやりたくなくなってくると思います。

まず、インナーマッスルの観点からです。舌っていうのは実は、この舌根からついてきてるんですけれども、この首から顔にかけてのゾーンのインナーマッスルみたいなもんなんですね。

骨盤周りのインナーマッスル大腰筋で、頸椎周りのインナーマッスル頸長筋で、首から上の顔にかけての部分のインナーマッスルがという具合になってるんですね。この全体の姿勢のアラインメントがいいと、 舌の位置が立つんですよね。特に何か上にあげようとか、下に下げようなど思わずに、自然とこう立って、正しい、自然と立って、高い位置にポジショニングされます。

自然に立つと、正しい場所は高い位置にポジショニングされるんですよね。

下の方から検討していくと、大腰筋が正しく収縮されていると、腰椎がいいポジションになって、 胸椎もポジションが良くなってきて、その上の頸椎も頸長筋が使われていいポジションに入る。そうすると、その延長線上の舌が最終的に正しく置かれるという感じになります。よく舌根を下げろ、という意見もありますが、

 舌が落ちてしまうと全体が機能しづらくなります。

 せっかくその頸長筋が重い頭を頑張って支えているのに、舌根を下げようとして上からストレスをかけに行くと、首の頸長筋に負担がかかります。そうすると、首が前にずれてきて首の後ろからアウターの筋肉がでガチガチに収縮したりします。

そうすると、喉を詰めてしまうこと至るという原因にもなります。 

 また、舌が下がってしまうと、顎がすごく重たくなるんですよね。顎を支えるために、咬筋や側頭筋が顎を閉じる筋肉なんですけど、 無理やり引き上げないといけなくなってしまいます。これらの緊張は結構厄介です。なのでこの辺がガンガン緊張してしまうと、よく食いしばったり、歯ぎしりをしたり、人によっては苦痛になったりする原因にもなります。

 頭自体がぐっと収縮して固められてしまうと、非常に脳疲労が起こりやすくなってしまいます。 

 そうなるとですね、脳疲労→姿勢が崩れての悪循環に陥っていきます。舌を下げようとすると、こうやって健康を害してしまいます。気をつけてみてください。

 歌の話に戻ると、舌が落ちることによって姿勢も前に崩れてきて、大腰筋も効きづらくなってきます。そしたら、歌の呼吸の精度がどんどん落ちていきます。 

 姿勢、身体全体のアラインメントを正しく整えて、そうすると自然と舌は上に位置してくるものです。舌は舌だけでは存在していません。この舌のアラインメントの土台ができてさえいればですね、いい位置に来るようになります。 

 頸椎も頸椎だけで存在してないんです。もちろん腰椎も腰椎だけで存在してないです。

 全てがつながっていて、トータルでポジションが決まるんですよね。 

 なので、歌のために単体でどうにかしようとするエクササイズ、トレーニングというものは、根本的に小手先のごまかすような効果しか出てきませんので、そう理解してみてください。

 では、舌の高いポジションのメリットというのもう1つ、お話ししたい思います。 

 そのメリットというのは、母音の音色を明るくするということですね。

 これは、あいうえお、の音色別の下の形を表したものなんですけれども、母音は舌が高い位置に来てますよね。

 あいうえお、の母音がイ母音の要素に全体的に寄っていくようになるので、 全体的に明瞭で明るい響きを得られるようになります。舌のポジションが高いっていうメリットは、発音の明瞭性にもあるわけです。

 最後に、1つ注意点です。舌の高いポジションっていうのは、奥舌が低い位置で、 先端が高い位置という上がり方ではなくて、根元から立ち上がってほしいんですね。なので、舌の先端だけが上がっていることを確認するのではなくて、舌の全体が高いポジションに来てるのかっていうのを気にしてみてください。

 ちなみに舌の位置ですが、医学の世界でも、リウマチの研究されてる先生などお医者さんですね、あいうべ体操と言うんですが、舌の位置を修正することでリウマチをよくするという理論を展開されてる先生もいるぐらいです。→こちら

 そのくらい、舌の位置というのは全身に影響します。 

 それから、舌の位置が正しい位置に入ってないと、歯の矯正をしてる人は、歯並びが合わせづらいようです。矯正歯科の先生などもよくおっしゃってます。お子さん持ってらっしゃる方は、お子様の舌の位置が正しい位置に入っていないと、歯並びが悪くなっていくという事もあるようですので、知識として、持っていてください。

 とにかく、歌のパフォーマンスを上げたいと思ってる人は、全体のアラインメントを正すことをこう目指しつつ、その中の1つとして舌のポジションがしっかりいい位置にポジショニングできているかを気にしてみてください。

 このブログは、発声に関するすごく細かい情報を発信していくブログです。他の記事はこちらをご利用くださいブログ(随時更新)

GOUDA AKITOMO(声楽家、作業療法士)

武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。イタリア国立ボローニャ音楽院留学。2004年「第35回イタリア声楽コンコルソ」ミラノ大賞、松下電器賞。2007年「第12回世界オペラコンクール新しい声」アジア予選ファイナリスト。彰栄リハビリテーション専門学校卒業、作業療法士の国家資格を取得。かごしま音楽教室Sing代表。

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