【ピアノ】ミスタッチを直すにはVol.1

 こんにちは!かごしま(鹿児島)音楽教室Sing!の郷田です!

 今回は、ピアノを弾く上で多くの皆さんが気になること、「ミスタッチはどうやったら減らすことができるのか」、という記事です。「ミスタッチ」には様々な種類ありますので、その種類ごとに(今回以降も)シリーズ化していけたらと..思っています。

今回のトピック「跳躍」

 ミスタッチの原因は、もちろん一つではありません。ピアノに対してどの位置(ポジション)に座っているのか、重心移動がうまくできているのか、手のフォーム、指のフォーム、など、身体的なフォームに原因がある事もすくなくありません。

 そのフォームのお話はまた違う機会にして…今回は、「運動記憶」という原因にフォーカスして「跳躍音程を外してしまう時」を検討していこうと思います。

あなたのミスタッチ..高確率で起こっていませんか?

 みなさんが取り組んでいる曲のある部分のミスタッチがあったとして。そのミスタッチは、いつもはミスをしないけれど「極々たまに」してしまうミスタッチでしょうか?それとも、「高確率で毎度してしまっている」ミスタッチでしょうか?そこを認識、理解していることがまず大事です。

 仮に「高確率でしてしまう」跳躍のミスタッチ箇所がある場合..つまりいつも同じところで間違え続けている場合は、

 その「指や肘、肩がエラーしている運動」を脳がガッツリ記憶している状態といえます。特に速いパッセージで記憶している場合はやっかいになります。

全体練習よりも部分練習

 脳が、ミスタッチの運動をインプットしている状態で、そのまま全体練習を続けると…あ、またミスタッチしてしまったけど先に行こう…と通り過ぎていく。それを繰り返すと弾くごとにエラーした運動をより定着させていく。つまり直っていくどころかミスタッチの確率をどんどん上げていく結果となります。これを直すには…そうです、部分練習です。

 ミスタッチを記憶している「部分」を「矯正」する、という練習を集中的に行う必要があります。

部分練習をより詳しく

 まず初歩的な確認です。「上から叩くような、手や指の運動習慣がある場合」は鍵盤の素早いポジション移動→打鍵をする習慣をつける事。多くの皆さんがわかっていると思います。ゆっくりの曲の場合、このポジション移動で弾く方法に変えればすぐにミスタッチは減らすことがでます。

 しかしこれがしっかりできていたとしても…実際に速い曲での跳躍はポジション移動→打鍵という時間の余裕はなくなってきますよね。

 速い曲での跳躍ミスタッチの場合は、「ミスタッチの詳細」を把握しましょう。本来弾くべき鍵盤を叩いていない→本来の音に指が届いていないのか、それとも、オーバーラップしているのか、という詳細を把握する事です。

 もし、たまたまミスをしなかった時も、オーバーラップ傾向の場合は、本来の鍵盤の右寄りで打鍵している確率が高いです。そして、距離感を脳神経と筋肉が右寄りに記憶しているということになります。

 この詳細が理解できたら、その部分、1小節内くらいの単位の部分を「左寄りに着地、打鍵する意識を持って」練習を繰り返してみましょう。

 鍵盤はおおよそ2.3cmほどですよね。この2.3cmの真ん中をいつも捉えていることが理想です。

 この部分練習をやっていくうちに、仮に左に寄りすぎて届かない、という風な事が現れた場合、微妙に右寄りに戻してみるなど、バランス調整していきましょう。

 そして「10回のうち、10回かならずノーミスになるまで」など、自分ルールを作るのも確実に矯正する上で有効です。

根気を持って!

 練習し始めて間もない曲は、1日、2日で直るかもしれません。しかし、長い間ミスタッチが習慣化していた場合は、1日では決して直らないかもしれません。

 場合によっては数週間単位で、根気よく矯正していってください。運動記憶というのは、新しい習慣がつけば新しいものをしっかり記憶してくれますので、つまりミスタッチは原因を洗い出して対処すれば必ず直りますので、

 根気を持って取り組んでみましょう!

GOUDA AKITOMO(音楽家、作業療法士)

武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。イタリア国立ボローニャ音楽院留学。2004年「第35回イタリア声楽コンコルソ」ミラノ大賞、松下電器賞。2007年「第12回世界オペラコンクール新しい声」アジア予選ファイナリスト。発声法の研究のために解剖書を読み漁ったことからリハビリに興味を持ち、身体や脳の機能など専門教育を経て作業療法士の国家資格を取得。かごしま音楽教室Sing代表。

Follow me!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次