ピアノ学習者のための「身体の解剖学」第1回〜背骨〜

こんにちは、鹿児島音楽教室Sing!の郷田です!

突然ですが皆さん、ピアノを弾く時に身体のどこを使って弾いていますか?

指!ですよね。でも、それはあくまで最終的な作用点が指であるだけで、支点、力点含めると使うところは「身体全体」になります。

以前に「指の解剖学」を記事にしていてその時にもお伝えしたと思うのですが…ピアノの演奏は「指」で行われていると考えると結構危険です。

ピアノ演奏の上達には、全身の筋肉、関節の運動効率を如何にあげるか、が重要です。

という事で、今回から2回に渡って、ピアノを弾く際の指以外の重要な部位について解説していこうと思います。今回は「背骨について」です。

今回のポイント

・全身を脱力するために「座位」姿勢は大切

・実は間違っている人が多い!?背骨の重心ラインについて

脊柱について

 ピアノ演奏時は、椅子に座っていますよね。医学的には椅子に座っている状態を「座位」と言います。

「座位」時の身体パフォーマンスを上げるために大事なのは、「身体の中心を捉えて座る」という事です。

では「身体の中心を捉える」ために大事なのは?それは「背骨」です。背骨は、椎骨という小さな手裏剣(独自の例えなので的を得ているか…)のような骨が、ブロックのようにお尻から首の上へかけて積み重なっている構造をしています。

それらを総称して「脊柱」と呼びます。私たちはこの「脊柱」で上半身を支えているんですね。

実は間違っている人が多い「重心ライン」

 そしてこれが、身体の重心となる位置を示しています(良い重心の位置については個別性が高いですので、参考の位置です)

皆さんに理解していただきたいポイントは…

背骨というと、背中に手を回して凸凹した骨を触って「背骨」と認識している人が多いのではないでしょうか?しかし、その凸凹しているところは、椎骨の後ろの突起した部分、専門的には「棘突起」といわれる部分なんですね。

石を想像していただくと、重心ラインをこの後ろ側に位置させようとしたらおそらく石がボロボロと崩れ落ちそうですよね。石がしっかり積み重なって倒れない状態というのは、石のおおよそ中心で重心ラインを整えているからです。

という事は、人間の重心ラインもこの棘突起ではなくて、椎骨の真ん中付近、つまり椎体に位置することになります。

身体が支えられている場所は、背骨…といっても皆さんが後ろに手を回して触る位置ではなくて、もっと身体の中側にあるんですね。

このように「背骨」の位置感覚を後ろで感じている人は多く、背中側に体重を預け過ぎて身体が脱力できていない人は結構多いのではないでしょうか?

ピアノのレッスンで先生から「背骨を真っ直ぐに伸ばして!」と言われた経験…あると思います。その時に、この棘突起を意識して伸ばすと逆に力が入ってしまうので、背骨の本当の中心を意識しましょう。

次回は、「腕」について解説していこうと思います。→第2回「腕」はこちら

GOUDA AKITOMO(音楽家、作業療法士)

武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。イタリア国立ボローニャ音楽院留学。2004年「第35回イタリア声楽コンコルソ」ミラノ大賞、松下電器賞。2007年「第12回世界オペラコンクール新しい声」アジア予選ファイナリスト。発声法の研究のために解剖書を読み漁ったことからリハビリに興味を持ち、身体や脳の機能など専門教育を経て作業療法士の国家資格を取得。かごしま音楽教室Sing代表。

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