ブルグミュラー25の練習曲 10.優しい花 を解説

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みなさんこんにちは!声楽・ピアノ教室「かごしま音楽教室Sing!」の郷田です!

今回のこの記事では、ブルグミュラー25の練習曲10番「優しい花」について解説していきます。

タイトルからイメージを作る

お花っていろんな種類がありますよね?どんなお花も「優しい」ものだな、と皆さん感じると思います。けど、その中でもどんなお花が皆さんにとって1番優しさを感じますか?ちょっと考えてみましょう。(ここでは私の個人的な…感想になりますが)

水蓮…水の上に咲いていますが、すこし「重そうな」お花のイメージが比較的あります。

薔薇…トゲがありますよね笑。優しさが無いといったらそれも違う気がしますが、トゲがあるので…。

ひまわり…夏に力強く咲いている印象があります笑。

たんぽぽ…特にワタになるとフワフワと風に乗って飛んでいきます。ワタなので柔らかそうです。色がないのが惜しいですか…。

なので例えば、ここでは一つ決めておきます。「たんぽぽ」を優しさの象徴にするとします。(賛否は置いておいて汗)たんぽぽが穏やかな風に乗って、気持ちよさそうに飛んでいる、そんなイメージを描いてこの曲を弾いてみようかな…と私は思います。(個人的なイメージなので、正解でも不正解でもありません笑。みなさんの個々の、この曲に対するイメージを作ってみてください)

形式

楽節A+楽節B+楽節Aの三分形式をとっています。

楽節A

全体的に楽譜を見て、気づく事はありますか?例えば、和音の数というか量。これまでの9番までと比較してどうでしょう?少ないですよね。右手と左手共に単旋律である部分が多い。

つまりこの曲は、対位法を意図して書かれてある曲だと言えます。

そして、何やらメロディが「追いかけっこ」をしているのが見えますか?

まるで、話し手が右手、聞き手が左手で、右手が「○○なんだよ」と言った事に左手が「そうなんだね、〇〇なんだね」と相槌をうつような。そんな右手と左手の関係性が表現されています。

冒頭、隣り合う二つの音に対する小さなスラーが、頻繁に書かれてあります。

このスラーの2つ目の音の処理は、柔らかく。この「スラーを切る」音の柔らかさが「優しい」雰囲気を決めると思ってください。手首の上下を使ってやさしいタッチを心がけましょう。

そしてその後に長いスラー部分。ここはレガートはもちろん、「右手、左手共々(二重唱を)美しく歌いそろえるように」弾く意識を持ってみましょう。

楽節B

楽節Aの冒頭部分のように、2つの音でのスラー音形が左手に出てきますね。楽節Aの右手同様、この部分の左手も「スラーの切り」部分の柔らかさには拘りましょう。

装飾音がありますね。

指を鍵盤を押さえつけないで、軽ーくはじくような運動をして「軽やかに」弾きましょう。

この記事の最初に「たんぽぽ」と言いましたが、例えば左手の微風にのって、右手のたんぽぽのワタが自由に空を舞っている。

そんな楽節Bを想像して、それに合う音質で弾くようにしてみる、など、空想力を持って音楽表現創りをしてみましょう。

GOUDA AKITOMO(音楽家、作業療法士)

武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。イタリア国立ボローニャ音楽院留学。2004年「第35回イタリア声楽コンコルソ」ミラノ大賞、松下電器賞。2007年「第12回世界オペラコンクール新しい声」アジア予選ファイナリスト。発声法の研究のために解剖書を読み漁ったことからリハビリに興味を持ち、身体や脳の機能など専門教育を経て作業療法士の国家資格を取得。かごしま音楽教室Sing代表。

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