繊細すぎる子…とても音楽家向きです。

こんにちは、〈声楽・ピアノ教室〉かごしま音楽教室Sing!の郷田です!今回は、感受性が強くて繊細な子についての記事です。

感受性が強い人=HSP

HSPという言葉が最近よく使われています。Highly Sensitive Personの頭文字をとった言葉です。「ひといちばい敏感な人」と翻訳されています。

(人を含めた)外の環境からの刺激に、人一倍強いセンサーを持っているために、些細なことでとても気にしてしまうタイプ…子供に限らず、大人になってもHSPタイプの方は悩んでいる方が多いようです。

HSPタイプのお子様は、音楽に向いている

よく、3,4歳の子が体験レッスンに来た時…たまに感受性がすごく強いタイプの子がいます。お母さんの後ろに隠れて出てこれなかったり、先生が「こんにちは」と声をかけると恐くて泣いてしまったり(大きめの男性の私だからというのもあるかもしれません笑)する時があります。

このような子…親御さまは「レッスンに来るの…まだ早かったかな」「ウチの子…まだレッスンにならなそうだからやめておこうかな」と思う方も多いかもしれませんが、

実はこのような子…音楽をするのにはとても向いている!と個人的に思います。

繊細なタッチを可能にするのは心の繊細さ

理由は、HSPの子の繊細さは、感覚に敏感であるという特徴からきています。全ての楽器に共通しますが…音に表情を与えるために大事なのは「繊細なタッチ」です。

例えば運動で大切な要素は「運動神経」と多くの人は、考えると思います。もちろんそれは正解なのですが、実はもうひとつ「運動神経」と同じくらい大切なのが「感覚神経」なんです。

運動能力というのは、「感覚神経によって運動の感触」を記憶する事ができて初めて、運動の再現性を高め、能力が上がっていきます。例えば、麻酔をした後の感覚のない腕でいくらボールを投げても、運動はうまくいかないものなのです。

触覚が鋭い事は、特に繊細な指のタッチにとって必要な要素となります。

音に対する繊細さ

また、聴覚が繊細である事。音の高さもそうですが、「音質」に敏感である事も大きな強みです。「優しい音がする」「鋭い音がする」「鈍くて重い音」など、受容する感覚のバリエーションが多い事は音楽家の必要な要素です。

周囲に敏感である事の大切さ

また、誰かが辛い思いをしている、誰かが怒っている、など周りの空気を察しやすいという事は、演奏している場の空気に敏感であるという事です。それは、自分の演奏を客観的に聴く力にも直結する事です。

このように、繊細であるという事は音楽の世界では非常に大切な要素である、と言えます。

もちろん、初めて会う先生、どんな人かわからない…恐いかもしれない、不安は人一倍大きいと思いますが、

大人が感受性の敏感さや、内面の気持ちを理解してあげながら成功体験を積ませてあげれば、

きっと音楽がその子にとって、生きる上での大切なツール、そして大切な友達のような関係にきっとなっていくと思います。

ですので、繊細な子ほど、音楽との出会いは素敵なプレゼントとなると思います。始まってしばらくのレッスンは、無理をせず少しずつ先生やレッスン環境に慣れていくと、すぐにグンと伸びてくれると思います。

GODA AKITOMO (音楽家、作業療法士)

武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。イタリア国立ボローニャ音楽院留学。2004年「第35回イタリア声楽コンコルソ」ミラノ大賞、松下電器賞。2007年「第12回世界オペラコンクール新しい声」アジア予選ファイナリスト。発声法の研究のために解剖書を読み漁ったことからリハビリに興味を持ち、身体や脳の機能など専門教育を経て作業療法士の国家資格を取得。かごしま音楽教室Sing代表。

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