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こんにちは、声楽・ピアノ教室「かごしま(鹿児島)音楽教室」の郷田です!
今回のこの記事では、ブルグミュラー25の練習曲より11番「せきれい」を解説していきたいと思います。
タイトル
セキレイ。小さな鳥です。元々は北の寒い地域でしかみられなかったようですが、現在では生息地は南下して、日本の至る所で見られます。
川や沼などの水辺に生息していて、長い尾が特徴です。この長い尾をいつも上下している、可愛らしい鳥です。
形式
前奏+楽節A+楽節B+コーダ、の形式をとっています。
前奏
冒頭は、小鳥らしい音形ですよね。両手共に高い音域で「小鳥が鳴いている」ようなハギレが良い音形です。
Pから始まって、クレッシェンド、スフォルツァンドもありますが、この曲の表想としては’軽いフォルテ’です。なぜなら小鳥が主人公ですよね。全曲を通じて重々しいフォルテにならないように気を配りましょう。
そのために技術的には、このスタッカートは両手で「つかむ」ような指の運動を試みましょう。
楽節A
leggieroと書いてありますね。イタリア語で、「軽く」という意味です。
小鳥の機敏な動きのように「軽く、キビキビと」演奏をするように書かれています。
このleggieroの技術的な面についてです。手の大きな男性よりも、手が小さな女性、まだ手が小さいお子様の方が、実は技術難易度としてはやさしくなります。やはり大きなものというのは…機敏に動くことがなかなか難しい。
ですので、手が大きな人は、手を狭くする技術をもう一つ付け足して練習しましょう。掌側骨間筋と言って、指を全体的に内側に寄せる筋肉を少し(リキまない程度に)使用する意識を持ちましょう。
そして、前奏でも申し上げた通り「つかむ」指の運動を試みながら練習して、leggieroを弾きこなせるようにトライしましょう。
P(ピアノ)から始まって、楽節Aの3小節目にはデクレッシェンド、そのまま5小節をppで引き続けます。
ここは、小鳥が大きな運動、動きをしているところから→小さな動きに変化している…など、自分なりの解釈を持って演奏しましょう。どんな曲でもそうですが、「楽譜にppと書かれてあるから」という「動機のない音表現」の思考は、なるべく避けるように努力してくださいね!
楽節B
イ短調に4小節のあいだ転調しています。
おそらく、せきれいの「ちょっとした不安」が表現されていると思いますが、ほんとに「ちょっとだけ(4小節だけ)」です。すぐに軽く明るく機敏な小鳥に戻っていきますね。
この4小節部分の右手は、レガートで弾きたいですよね。右手4の指の離鍵を少し遅らせると、レガートを保ちやすいと思います。試してみてください。
コーダ
このコーダ部分の右手は8va…つまりオクターブ上。かなり高い音域になっていますね。このようなところは、
椅子の座っている重さがあるポイント、つまり重心を右のお尻にしっかり預ける必要があります。
ピアノの演奏技術は、指、手首、腕、に意識がいくと思います。
それに加えて、「座っている重心ポイント」つまりは、背骨の動きも、とても大事な身体操作の一部である事を知っておきましょう。
GOUDA AKITOMO(音楽家、作業療法士)
武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。イタリア国立ボローニャ音楽院留学。2004年「第35回イタリア声楽コンコルソ」ミラノ大賞、松下電器賞。2007年「第12回世界オペラコンクール新しい声」アジア予選ファイナリスト。発声法の研究のために解剖書を読み漁ったことからリハビリに興味を持ち、身体や脳の機能など専門教育を経て作業療法士の国家資格を取得。かごしま音楽教室Sing代表。
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